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  • 日本アサーション協会

2年ぶりの対面研修 平木典子

 本協会が新たなアサーション・トレーニングとして開発した「協働のためのアサーション・トレーニング(CAAT)」は、コロナ禍により対面の研修が不可能となり、先の展望も見えぬまま、2020年2月から8月まで6回の中止を余儀なくされました。

 アサーションは、「自己の思い」が「他者との働きかけ合い(協働=co-labor)」になっていく自己表現を目指していますので、一人ひとりの存在が実感できる対面の場があることが理想です。ところが、終わりが見えないコロナ禍を前にして、2020年9月には第3回CAATをオンライン(Zoom)で開始、本年1月の第11回CAATまで、全9回のオンラインCAATを実施したことになりました。

 たまたま、今年の4月に計画していたファシリテーター・トレーニングは、好転したコロナ禍の状況を受けて、対面研修が可能になりました。それまでにCAATにオンライン参加されたメンバーが参加され、直接出会うことができました。さらに5月のCAATも対面で実施しました。

 この2回の対面トレーニングで印象的だったことは、質疑応答の時間が1時間も続いたことです。皆さんがこれまでにもまして積極的に対話を求め、メンバー同士の中で限りない好奇心と互いの刺激がどんどん膨らんでいく様子は、中断を許さないほどの熱気でした。その結果、お昼休みと夕食の休憩を短縮するという初めての経験をしました。 

 CAATの再開は、私の今後のCAATの訓練に大きな希望をもたらしました。たとえば、メンバーは、コロナ禍を経てCAATに参加したことで、「自分の内面の声をこれまでより大切にし、外に出してみよう」、「グループでメンバーのさまざまな思いに接することは、混乱ではなく自由な自分の学びができることだ」といった集団における体験学習ならではの安心感と期待をもつことができたことです。これは、本協会が実施している「グループ・アプローチ研修」(グループの中で、自分らしい動きを探り、学ぶ研修)では、さらに楽しく、深く学ぶことができるでしょう。

 「協働のためのアサーション・トレーニング(CAAT)」は、正しい自己表現の方法を学ぶ訓練ではなく、自分の自己表現を確かめて、自分らしい自己表現を発見し、活用する場を目指しています。それは、各自が自分や他者の自己表現や動きの特徴を知る場であると同時に、それを基に互いに自他の特徴を活用した働きかけ合い(協働)を試み、一人ではできないことを可能にする場でもありましょう。

 CAATが、各自の専門家である自分と他者が、共通の目的に向かってその専門性を活かし合って共に働きかけ合い、新たな創造的試みの架け橋となることを願って。



 


   

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