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アサーション×組織変容®︎

  • 執筆者の写真: 日本アサーション協会
    日本アサーション協会
  • 5月17日
  • 読了時間: 3分



こんにちは 今回は中村菜津子が担当します

私は普段、産業労働分野で仕事をしています。企業内でカウンセリングやコーチングをする一方で組織やチーム全体の変容に関わる研修やコーチングをしています。

 

当協会でもアサーションを協働にいかすトレーニングを展開していますが、私はアサーションは組織の協働、変容に大きな力を発揮すると信じています。

 

企業で働く人の課題は、時代とともに変われど尽きることはなく、その多くが人間関係です。昨今は以下のようなことがよく課題にあがってきます。

 

・人員構成がV字型になっていることで部内のコミュニケーションがうまくいかない(20代、50代が多く、30代、40代が極端に少ない)

・組織の吸収合併やキャリア採用が一般的となり、他業種との合併や転職など、異なる分野間の交流が増え、それまで当たり前と思っていた仕事の仕方が通用せず、疲弊してしまう。

・ハラスメントという言葉が周知され組織が改善される一方で、ハラスメントと言われたくないシニア世代が部下指導を積極的にしなくなり、技術の継承の質を担保することが難しくなっている。


みなさんの組織ではいかがでしょうか。

 

先日、「アサーション × 組織変容®︎」というウェビナーに登壇させていただきました。

その中で、「違いは間違いではない」ということをテーマに聴き役のFさんと話をしました。大雑把にお伝えすると、人はみんな違う環境に育ち、違う価値観や考え方をもっているけれど、それは違いというだけで間違いではないということなのですが、その中で、アサーティヴな会話はその違いをチャンスに変える可能性があるかもしれないという話になりました。「違いはチャンス」ということばが印象的だったのかFさんが「違いはチャンスなんですね」と伝え返しをしました。そこから「違いは間違いではない」どころか「違いはチャンスである」という話に発展していきます。そして、参加者から「違いはチャンスと言う言葉、素敵ですが、例えばどんな例がありますか」という質問をいただくところにつながっていきました。このようにして「違いはチャンス」というフレーズが、ウェビナー参加者、Fさん、私の共通言語となりました。

 これは会話の中からそれまでになかったフレーズをみんなで誕生させた瞬間だったように思います。こういったことが組織変容®︎には大切なのではないだろうかと思うのです。

 

聴き役のFさんが、以前の職場が統合された時の驚いた経験を話してくれました。彼女がいた部署では、電話が鳴ったらベル3回以内に取ることが当たり前でしたが、もう一方の部署は電話を取らない文化だったそうでめちゃくちゃ喧嘩をしたそうです。

 

この違いが語られないままでいると、状況によってはお互いを批判、牽制する要素となり、一つのチームになることを難しくさせる可能性がありますが、それぞれがそのやり方に至った過程が聴かれ、話されると、もしかしたら単に一方に従うだけでなく、この組織にとってベストな新たな仕組みや方法が誕生するかもしれません。

 

私たちには同じ性質のものに安心感を感じるという気持ちが太古の昔からあると聞いたことがありますが、一方で異色なものが混ざっていくことで生命力が強くなるという説もあります。

 

勝手に諦めたり、排除する前に、違いをみんなで対話してみる。それが組織を強くするチャンスなのかもしれませんね。

 
 
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