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協働のためのアサーション・トレーニング(Collaborative Approach in Assertion Training=CAAT)へのお誘い

日本アサーション協会

更新日:1月10日




世紀も25年目を迎えました。グローバル化された人々の動きと同時に、世界の 危機も身近に感じられる新年でしたが、いかがお過ごしでしょうか。

本協会は、設立 2018 年以来、「協働のためのアサーション・トレーニング(CAAT)」 を開発・実施してきましたが、コロナ禍による中止と 9 回のオンラインによる研修を経 て、2024 年 12 月で、第 32 回の研修を終えたところです。


アサーション(自他尊重の自己表現)は、「自己の思い」と「他者の思い」を大切にし た表現と関係づくりを目指しています。その試みの場である研修では、参加メンバー による成功も失敗も許されるというトレーニングの場ならではのリアルなやり取りと本 番さながらの感情と動きが表現されています。それは、アサーションというコミュニケ ーションを試み、その成功と失敗を受けとめ、よろこび、かつ癒し、学ぶプロセスにな っています。研修後のアンケートから、それを理解することができます。アサーション の支援者が居る訓練や学習の場では、失敗も含めて、一人ひとりの試みが大切にさ れ、本番とは異なった学び、相互交流と協働(co-labor)が味わえるようです。


研修の場で印象的だったこと、

第 32 回の CAAT を終え、ここにファシリテーターのリフレクションを文字にしてみた いと思います。

その一つは、多くの方が、ご自身のコミュニケーション、対人関係について、多様な 人々との研修という場でのかかわりによって、日ごろのような意見や思いの「言いっ放 し」ではなく、ふり返る時間を持つことで、自他への新たな気づきや成長・発展がある ことです。多くの参加者が、アンケートで述べておられます。


日頃、私たちは、コミュニケーションをした後、その内容や結果、関係づくりの良し 悪しなどにこだわりながら、次への歩みを進めてしまうことが多いものです。しかし、 現場での様々な対人場面を持ち寄りながら試みるトレーニングでは、実際のやり取り の試みをしながら、ふり返りや質疑応答にその 2 倍ほどの時間をかけて、ふり返りを します。そして、その時間は、皆さんがこれまでにもまして積極的に対話し、好奇心と 互いの刺激が飛び交うときになります。「私たちは、話している間にも、かくもいろんな ことに気づき、内的な対話を自分とも他者ともしているのだ...」ということが良くわかり ます。


CAAT の訓練の場は、例えば、メンバーは、「まず、思いは伝えてみること」が大切 だ」とか、「会話をしてみると、自分と他者はこんなに、ものの見方や考え方に違いが あるのだ」、「それをどのように共通理解につなげていくのか、それが難しいし、実は、 大切なのだ」、「そこに自分も相手も大切にするアサーションが必要なのだ」、「それを しなければ、互いの成長や創造性が眠ったままになる」、「丸く治めるために、がまん したり、相手を説得しようとしたりすることは、自他尊重ではない」などなど、「言ってみ ることを心がけたい気持ち」になる人々の声があります。


そう... 様々な声は、様々な人々の刺激になるのでしょう。「違うものがあるから、 そこから生み出され、できていくものがあり」、「違い」を「間違い」にしないアサーティ ヴな会話では、互いを大切にし、多くの発見や視野の広がりがある、という前向きの 姿勢になることができるのでしょう。


そのようなかかわりの中で、普段よりもたくさん自分の思いを伝えることができた 人、「自分の相手も大切にするやり取りができること」の公平さや「No」を言ってみた り、相手から「No」を返されたりすることは、誰にもあることであり、それを想定しながら やり取りをするには、アサーションが大切なのでしょう。


それができないとき、私たちは自己嫌悪に陥ったり、人を責めたりしがちです。アサ ーションができないとき、自己否定的になりがちです。また、「いじめ」が生まれます。 つまり、いじめは negative intimacy(否定的な気持ちの親密さ)の集合になり、否定 的な気持ちとその関係性は、CAAT のねらい協働 (co-labor )と鋭く矛盾するもので す。その矛盾とどう取り組むかが、重要になるのでしょう。


これは、本協会が大切にしている「グループ・アプローチ」(グループの中で、自分ら しい動きを探り、学ぶ)の考え方でもあり、それが含まれた研修が CAAT です。

換言すると、 「協働のためのアサーション・トレーニング(CAAT)」は、正しい自己 表現の方法を学ぶ訓練ではなく、自分の自己表現を確かめて、自分らしい自己表現 を発見し、活用する場です。それは、各自が自分や他者の自己表現や動きの特徴を 知る場であると同時に、それを基に互いに自他の特徴を活用した働きかけ合い(協 働)を試み、一人ではできないことをグループで可能にする場でもあるでしょう。


CAAT が、「自分の専門家」である一人ひとりが、共通の目的に向かってその専門性 を活かし、働きかけ合い、新たな創造的試みをする場となることを願っています。


一般社団法人日本アサーション協会 平木典子

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