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Chat GPTと遊んで(?)みた 八巻甲一

更新日:2023年4月8日

コンピュータが現代のようなデジタル方式での登場してから凡そ30年ぐらいと思う。この間の進化の凄まじさに圧倒されるような勢いを感じるのは私だけではないと思う。その進化を柔軟に取り入れる若い世代と違って、翻弄されずついていくことが私には次第に困難になりつつある。そうした中で、Chat GPTという高度な対話型AIが登場し物議をかもしている。このコンピュータの進化の象徴でもあるサービスに危機感を抱き、その使用を禁止した国があるという報道に接し、興味を持った。

将棋の藤井聡太六冠(2023年4月1日現在)の活躍が目覚ましい。彼は高機能のパソコンを駆使して将棋の戦術を極めようとしているという。その驚異的な強さを発揮できるのは才能の豊かさによることを否定しないが、コンピュータが寄与していることも確かだ。彼はどうやら最新のコンピュータと翻弄されずに付き合えるようだ(これも才能かも知れないが)。

とはいえ、人間よりはるかに優れた知能を持つコンピュータとの付き合い方が、もはやSF世界のものではなくいよいよ身近でかつ大きなテーマになったことは先の報道が示していることでも分かる。

それでは、一人の人間としてその集積した情報を対人支援の場で活かそうとしているカウンセラーにとって対話型AIはどういう存在になるのだろうか。Chat GPTに敬意を払いつつお相手をしてもらった。カウンセリングでしばしば出会うテーマの一つである「孤独(感)」を尋ねてみた。孤独とは何ですか:

「孤独とは他人とのつながりが欠如していたり、社会的に孤立している状態を指します。この状態にある人は、自分自身とのつながりが薄くなり、孤独感を感じることがあります。孤独は、心理的苦痛やストレスを引き起こすことがあり、身体的な健康にも影響を与えることがあります。しかし、孤独を感じることはときに自己反省や自己成長のきっかけになることもあります。」

なるほど、孤独の回答にそう違和感はない。単に「孤独」の説明ではなく肯定的な示唆をそえているところが辞書とは違う感じがする。それならばともう一歩踏み込んで「孤独に付き合う方法を教えてください」と尋ねてみた。カウンセラーとは違う回答になるのだろうか。

「孤独に付き合う方法は人それぞれ異なります。以下のような方法が役立つかもしれません。

1.孤独受け入れること。2.趣味や興味を見つける。3.新しいことに挑戦する。4.友人や家族とコミュニケーションを取る。5.自分自身と向き合う。」と5項目がアドバイスとして挙げられた。ここでは記載しないがそれぞれの項目には説明がある。例えば1の孤独を受け入れるには、孤独を感じることは人間らしいことであり誰にでも経験があるものです。自分自身に「孤独を感じてもいいんだ」という許可を与え、抵抗することなく感情を受け入れましょう。これらの方法を組合せながら、自分自身に合った孤独と向き合う方法を見つけましょう、とある。なんと優しいアドバイスだろう。これらの回答(アドバイス)で救われる人もいると思う。ただ、上記のアドバイスを受け入れることが困難な状況にある人もいる。そう思って先を読むと、「ただし、もし、孤独が深刻なものであれば、専門家のサポートを受けることも検討して下さい」とあった。なんのことはない、最後は「専門家のサポートを受けよ」で終わっている(笑)。それはそうだろうと納得しつつ対話型AI恐るるに足りない、というより物足りなささえ感じる。しかし、待てよ。この優しいアドバイスが持ち出されることこそ曲者かも知れない。私の設問が単純だったのでこの回答になったが優しいアドバイスは設問次第で「恐ろしいアドバイス」に化けるかも知れない。先の回答のように心の救いを求める人の問いかけには生き方までも示唆してくれるかもしれない。それは対話型AIの「信者」を増やすことに繋がらないだろうか。もはや笑いごとでは済まされなくなった。使用を禁じた国の意図はこの辺にあったのかも知れない。「孤独への付き合い方」の回答が1年先でも同じようなものだろうか。再び対話をしてみたくなった。


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